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なけに出た。実績のあるR8に代わって昨年リリースされたばかりのニューマシン、フェラーリ296GT3の導入に踏み切ったのだ。その狙いはどこにあるのか。片山は言う。「AudiR8もいいクルマでしたが、フェラーリ296GT3は新しいクルマなので、より高い戦闘力が期待できます。さらに、このフェラーリというクルマでプロモーションをしていきたいというチームの方針もありました。実際に走らせてみても『速いな』と感じました。でも、新しいクルマですから、まだまだ詰めきれてはいません。これからみんなで少しずつセットアップを進めていきたいと思いますし、テストでも走らせるたびに手応えを感じています。まだまだ伸び代がありますし、どんどん理解が深まっているところなので、今後が楽しみです」岡山テストではトップタイムと上々な手応えを得る事実、3月に岡山国際サーキットで行われた公式テストにおいて、片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン組のNo.6VELOREXFERRARI296GT3※は2日目午前のセッション3でトップタイムを記録。さらに雨となった午後のセッション4でも終了間際に7号車BMWM4に逆転を許すまではトップを維持した。開発途上と言いつつも、このニューマシンは既にドライでもウェットでも高いポテンシャルを発揮しており、さらにセットが煮詰まるシーズン本番が大いに楽しみである。ロベルトと共に初優勝を誓う2024シーズンチームメイトのロベルトはこれまでF1、WEC、DTMといった世界のトップカテゴリーで活躍してきた実力派。片山と組むのは今年で3年目となる。「ロベルトは経験が豊富なのでセットアップの仕方や戦略面など、すごく細かいところまで目が行き届くドライバーです。そしてレースのリテラシーがすごく高い印象もあります。レースの組み立て方、攻めどころ、ドライビングテクニックなど、あらゆる面で非常に勉強になります。自分の成長にもつながる存在です」と、片山は高く評価する。最後に、岡山国際サーキットに来場されたファンの皆さんへ、片山義章からのメッセージを送る。「新たにフェラーリ296GT3を導入することで僕らの戦闘力が更に上がりましたし、チーム力もどんどん上がってきています。僕も3位では満足していないので、優勝を、そしてシリーズチャンピオンを目指します。ですが、まずはホームコースであるこの岡山国際サーキットでいい結果を出すことが1番の目標です。全力で集中して、結果を残したいと思っています。公式テストでも手応えを感じていますし、よく知っているサーキットなので開幕戦が楽しみです。必ずファンの皆さんにいい結果をお見せできると確信しています」ニューマシンを得てさらなる飛躍が期待される2024シーズン。片山とチーム・ルマンが待望の勝利を挙げる日は、開幕戦かもしれない。※No.6UNI-ROBOBLUEGRASSFERRARIの公式テスト岡山参加時のマシン名。752024AUTOBACSSUPERGTRound1OKAYAMAGT300kmRACE